【国会レポート】政権交代が実現!政治主導の予算編成が始まる【2009年9号】

今回の総選挙が終わって初登院し、衆議院本会議場の自分の議席に座ったとき、政権交代を文字通り身をもって実感しました。本会議場では議長席に向かって左側から最も大きな政党の議員が座って、右へ行くにつれて小さな政党の議員席となるのですが、選挙前には右側だった私の議席が左側後方に移っていて、本会議場の半分以上が民主党で圧倒的な存在感を感じたからです。

民主党は過半数の241を超えて115から308へと193議席増やしました。自民党は改選前の300から119へ、公明党も31から21へと議席を減らし自公合計で191議席を失いました。この結果、16年ぶりの政権交代となり、民主党中心の政権が発足したのです。私も埼玉6区で18万6993票もの得票をいただき、4期目の当選を果たすことができました。

このように多くの方々からご支持をいただきました。民主党および私に1票を投じてくださった一人一人の気持ちを非常に重く受け止めています。この皆さんから託された思いと期待をこれから現実の政治の中で具体的な形にしていくのが自分の仕事だと考えています。

初当選以来、私は現場主義で仕事をしてきました。「真実は現場にある」というのが私の信念です。この姿勢を変えることなく今後とも現場主義を貫いていきます。

新政権では内閣府の副大臣に就任

今回、私も内閣府副大臣という役職をいただき、鳩山内閣の一員として政府に入ることになりました。内閣府は、橋本内閣時代に構想された官庁改革に基づき、2001年1月6日を期して1府22省庁から1府12省庁体制に変わったときに新設された官庁です。

この官庁改革では法務省、外務省、農林水産省、防衛庁には大きな変更はありませんでしたが、運輸省、建設省、国土庁、北海道開発庁の四省庁が国土交通省、自治省、郵政省、総務庁の三省庁が総務省、厚生省と労働省が厚生労働省、文部省と科学技術庁が文部科学省へとそれぞれ統合されました。環境庁は環境省に昇格し、大蔵省は財務省、通産省は経済産業省へと名称を変更しています(なお、防衛庁は2007年1月に防衛省へと昇格しました)。

他省庁の上部の置かれて調整を行う内閣府

内閣府はそれまでの総理府、経済企画庁、沖縄開発庁を合わせてつくられました。他省庁の上部に置かれ、省庁間の総合調整機能も持っています。つまり、この省庁再編の大きな目的はたんなる省庁の統廃合や名称の変更ではなく縦割り行政の弊害を取り除くことにあって、そのため複数の省庁が関係する問題については他省庁よりも一段高い立場から政策の総合調整を行うべく内閣府が設けられたのです。

内閣府のなかで私は副大臣に就任したのですが、官庁改革では省庁に入る政治家の役職も新設、変更されました。つまり、それまで省庁には一つずつ置かれていた大臣と政務次官というポストが、大臣、副大臣、政務官というポストに変わったのでした。ポストの数は大臣は1ですが、副大臣、政務官は省庁によって1から3置かれています。今後、民主党は政府に入る政治家の数をもっと増やしていく予定で、副大臣や政務官の数はさらに増え、補佐官なども新設されるでしょう。

これまでは機能しなかった政治家主導

さて、2001年以来のこうした官庁改革でどう変わったかといえば、残念ながら、これまでの政権ではほとんど変わらなかったといっていいでしょう。せっかく大臣のほか副大臣、政務官というポストが設けられたのに、この三役間の連携がうまくゆかず、むしろ官僚主導の印象を強めてしまいました。というのも、これまでは1年ごとの派閥の順送り人事という側面が強く、ポストのためのポストになってしまったからです。その結果、省庁に入った政治家同士の連携が生まれませんでした。

そこで、民主党政権ではこの三役がそれぞれの省庁で三役会議を行うなどして政治家チームとして機能を高め、それによって政治主導を押し進めていく方針です。

私の内閣府副大臣としての仕事は大きく分けて消費者行政、公務員制度改革、防災の三つがあるのですが、上司は仙谷由人内閣府特命担当大臣(公務員制度改革)、前原誠司国土交通大臣(防災・沖縄・北方領土・宇宙)、福島みずほ内閣府特命担当大臣(消費者及び食品安全・少子化対策・共同参画・共生社会)の3人になります。

このように複数の大臣がいて仕事の内容が多岐にわたるのも内閣府が総合調整機能を持つという特質からなのです。政権公約を実現させるため一生懸命に仕事に取り組んでいくつもりです。

今回、政府に入って不思議な感じがするのは、これまで民主党内でごく普通に一緒に仕事をしてきて人たちがそのまま政府に入って、やはり一緒に仕事をするということです。

つまり、今回政府に入った(内閣府だけでなく他の省庁も含めて)大臣、副大臣、政務官の大半はすでによく知っている人ばかりなので私としては意思疎通がしやすく、それが仕事を進めていくうえでも大いにプラスになると思っています。同様に、国会の委員会の委員長や理事もまた皆、気心が知れている人が多く、政府だけでなく国会も含めてチームとして仕事ができる体制となっているのは間違いありません。

しかも、これらの人たちとは単に顔見知りということではなく、民主党マニフェストを作成するときに、お互いに侃々諤々の議論をした人たちなので、誰がどのような考え方を持っているかということがよくわかっているのです。また、議論を通じて合意形成を行い、一定の結論に達して、それをマニフェストに掲げているので、マニフェストの政策については、民主党内では皆、納得感があります。

スピード感を持って政策が実行できる

したがって、今回、新政権の発足に当たって、すでにマニフェストとして政策が結実しているのですから、その初動においては改めて党内で政策合意をする必要がありません(連立を組んでいる他党とはさらに政策合意の必要は残っていますが)。今後、スピード感を持って政治主導の政権運営が行えると思います。

いずれにしろ、皆さんにお約束した通り、まずは政治主導で来年度と再来年度予算をしっかりと編成することが大切です。それによって、皆さんの1票で政治が変わり、世の中も変わるということが実証できる違いありません。私もこれから予算編成に誠心誠意取り組んでいきたいと思います。