プロフィール
埼玉県生まれ/きたもと幼稚園/中丸小学校/北本中学校/京華高等学校/早稲田大学法学部卒業/日本鋼管(現JFEスチール)にて14年間勤務/その後、ソニー生命にて営業職を5年間務める/2000年に民主党公募候補として衆議院初当選/2021年10月8期目当選/元内閣府副大臣/元総務副大臣/元衆議院懲罰委員長/元民進党幹事長/元国民民主党企業団体委員長/現立憲民主党企業団体交流委員長/日本アイルランド友好議員連盟/科学技術イノベーション議員連盟/経済産業委員会委員/憲法審査会委員
国会議事堂見学
随時、国会見学会を開催しています。おひとりでも、ご家族でも、グループでも、ご参加を受け付けております。
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国会レポート最新版
ルールメーキングこそが競争力の源泉
私たちが、連絡したり、情報を検索したり、あるいは、映画や音楽を視聴する際には、インターネットを使っています。正確には、情報が通信回線を行き来するルール(通信規格)として、インターネットを採用しているということです。つまり、インターネットは、通信の規格の一つです。今のところインターネット(正確にはTCP/IPという通信規格に基づいた情報のやり取り)のルールが世界で使いやすいので、爆発的に普及しています。将来、もっと使い勝手の良いルール(通信規格)が、開発されたら取って代わられることもあり得ます。
インターネットと呼称される通信規格は、1960年代から開発が始まり、1970年代にほぼ確立した技術で、その通信量は、近年、爆発的に増大しています。しかし、サイバー攻撃に対する防御が通信規格としては脆弱なので、情報を傍受されることなく如何に秘匿して通信できるかが課題です。
物理理論として完璧に秘匿して通信できる方法が量子暗号技術を使っての通信です。5年前に、国の情報通信研究機構を訪問した際に、スマートフォン間で音声を量子暗号処理して会話するデモンストレーションを実際に見せて頂きました。開発を主導していらっしゃる佐々木雅英先生から、衛星間での量子暗号通信など詳しく教えて頂いて、安全保障の観点からも重要な技術であると認識しました。その後、量子暗号を推進するために、国会で取り上げています。
先般、佐々木先生を情報通信研究機構に訪れたところ、量子暗号通信装置の国際規格化が進展していることで、製品化に向けて、各企業からの問い合わせが多くなったと伺いました。佐々木先生は、20年以上前から量子暗号の研究をしており、先生の研究があることで、我が国も米国や欧州と対等以上に規格化で渡り合えています。
世界をリードする技術を開発するには、長い期間が掛かりますが、その分野での主導権を取ることができます。そのためには、安定的な研究開発環境を整えることと、研究成果を国際標準や国際規格にするための後押しが国の責務と考えます。
国益をかけての静かなせめぎあい
さて、私は、20代後半、メーカーの西ドイツ事務所に勤務していました。技術系の駐在員事務所で所長と私を除いては、全員が技術系社員です。日本からの技術者に随行して、ミラノで行われたISO(国際標準機関)の会議に出席したことがあります。出張者から、「ISOで決める国際標準に準拠して各国の規格が決まる。本来は、各国の規格を統一して非関税障壁を無くして、自由貿易を推進することが目的であるが、EU(欧州共同体)は、彼らで決めた標準を国際標準にすることで、彼らの市場を守ろうとしている。」と教えて頂きました。会議の参加者は、欧州が中心で、長らく同じ問題に携わっていて旧知の仲です。
現在、EU参加国は27ヶ国です。国際会議の場では、27ヶ国でまとめたEUの考え方を、27票で投票することになりますので、EUの考え方に準拠しがちです。従って、地球温暖化の国際ルールについても、どのような原子力発電所が地球温暖化対策に貢献する発電所であるのかについても、EUは加盟国の利害を調整した上でルールを決めてきます。アメリカも日本も一ヵ国一票ですので、多数決では欧州が有利になります。
標準、規格、特許という分野は、直接的には、収益に貢献しませんので、企業の中では、人材を長期に育てる風土が育ちにくく、特に、経営者が外国人株主から配当を強く求められますので、長期的な視野に立った研究開発や標準、規格、特許などは、合理化の対象にもなり易いのです。経営の中で長期的に人材を育成することが難しくなっている分野ですので、国の機関が企業と協力して、標準、規格、特許の人材を国の意思(費用)で育成する必要があると考えます。
我が国が主導する国際標準
私は、リハビリ用ロボット分野で世界の最先端を走っているサイバーダイン株式会社CEO(社長)である山海嘉之筑波大学教授を訪れたことがあります。9年前のことですが、予定の1時間を超え、昼休みの時間もずっと標準と規格のテーマで話し込んでしまいました。その際、「技術革新でまったく新しい領域を創造し、新たな標準を創ることが最も影響力を持つことになる。その標準に準拠して規格が定まるので、規格改定の度に、技術情報は標準のオーナーに集まってくる。」と、標準化こそが競争力の源泉と実感しました。
脳梗塞や脳出血による障がいが残った際、リハビリで力を発揮するのが、山海先生が開発したロボットスーツです。人間が手足を動かそうとすると、その意思は脳から筋肉への微弱な電流によって伝えられるのですが、この電流は人間の皮膚表面にも出てきます。したがって人がロボットスーツを装着すれば、そのセンサーが皮膚表面の微弱な電流をとらえてモーターを駆動させ、人間の手足の動きをサポートします。
ロボットスーツのようなまったく新しい「生活支援ロボット」を世界で普及・定着させるためには、世界で認められた「安全基準」が必要となってきます。政府も、データを集め、検査施設を設け、各国に働き掛け、「生活支援ロボットの安全要求事項」を新たな国際標準(ISO13482)として確立できたのでした。
このようにまったく新しい分野で日本が世界を主導して、新規の「国際標準」を確立することは、極めて稀なケースです。今後、空飛ぶ車の開発など、10年後、20年後の社会を想像して、どのような技術が、社会実装されるかを見定めて、国はその分野の研究開発を後押しすることで、世界標準の主導権を担うことができれば、我が国の標準が世界標準になり、競争をより有利に行うことができます。そのために、地味な分野ですが、政治としても力を注いでいきます。
憲法審査会での発言(2023年04月13日)
憲法審査会委員の大島です。憲法審査会での皆さまのご発言に心より敬意を表します。憲法改正と党議拘束の関係について、私の意見を述べます。私の考えに基づく発言であり、所属政党の意見ではないことはご理解いただければ幸いです。
普段の政党政治
普段、私たち国会議員は、「政党政治」の下、政党・会派単位で活動を行なっており、法案の採決に当たっては、「党議拘束」がかけられています。しかし、この普段の政治活動の在りようは、憲法改正議論には、完全には馴染まないではないかと考えます。
憲法改正議論は「個々の識見」によるべき
そもそも、憲法とは、「いかなる政党が政権に就いたとしても守らなければならない共通ルールを定めた国家の基本」です。つまり、立法政策や行政統制を巡る日常の政治を行うための「土台」を形作るのが憲法ですから、その改正議論は、与野党対決型の通常の議論とは一線を画するものです。したがって、憲法改正議論は、党派性を重んじながらも、与野党の枠を超えた「個々の議員の見識」の積み重ねによるべきだと考えます。
党議拘束を外した臓器移植法案の際の経験
この点、我々には、かつて、党議拘束を外して採決に臨んだ経験があります。2009年の臓器移植法の制定・採決の際、死生観に関わる問題は「政党政治」では国民意識を汲み取りにくいとして、多くの政党で党議拘束が外されました。我々国会議員は法案への賛否を普段からよく考えて決めていますが、このときは、党議拘束が外されたことから、「特によく考えた」こと、そして、「大いに悩んだ」ことをよく覚えています。まさに「個々の議員の識見」が発露された瞬間でした。臓器移植のあり方は個人の倫理観によるところが大きいことから、また、憲法改正は選挙で争われにくい「国の在りよう」を問うものであることから、いずれも「個々の議員の識見」によるべきという点で共通しています。
よく考え、よく悩むためにも、党議拘束を外すべき
また、憲法学においても、議員と国民の「近接性」が民主主義にとって重要であるとの見識があり、我々国会議員は、選挙区の人々との結びつきを強く意識せざるを得ない立場にあります。しかし、憲法改正議論にあたっては、選挙で自分に投票していただいた人もそうでない人も、今を生きる世代も将来生まれてくる世代も含め、国民の諸々の各層全体を代表する立場であることを自覚した上で、個々の議員が日本の在りようを「よく考え、よく悩む」ことが欠かせません。そして、私は、一人一人の国民の顔を思い浮かべ、選挙区を体現して、一票を投じたいのです。そのためにも憲法改正原案の採決の際には党議拘束を外すべきとの意見を述べて私の発言とします。
小学生からのお便り
国会見学でお会いした小学6年生から、「私は、まだ選挙に行くことはできないけれど、今、しっかりと学んで活かしたいと思います。一つ聞きたいことがあります。話し合い以外はどんな仕事をしているのですか。」とお便りを頂きましたので、以下の返信をさせて頂きました。
拝啓
Aさんと同じ小学校の校歌を歌った先輩として、お葉書を頂きまして、ありがとうございます。
質問に対する答えですが、私たち議員の仕事は、まず、選挙区に暮らしていらっしゃる皆さまが、何をお考えなのかを知ることです。一人で子育てをされている方、正社員、非正規社員、独立して事業を営んでいる方、障がいのある方、介護を必要とされる方、農業でも、米麦、花、梨などの果樹、トマトなどハウスで育てている方など、目をつぶると皆さまの顔を思い浮かべられるまで、あらゆる方の暮らしぶりを取材することです。
そして、暮らしへの影響を具体的に思い浮かべ、法律を作り、政策を立案することです。つまり、「政治とは生活」なのです。そして、国会での法案審議を通して、国民の理解を深め、納得感を高めることが、国会議員としての責任と考えます。
卒業式へのお誘いも、誠に光栄です。残念ですが、3月は、国会が開催されておりますので、卒業式に出席することは叶いません。ご理解頂ければ幸いです。これからも社会に興味を持って、幅広く勉強されることを期待しています。
取り急ぎ御礼まで
敬具
Hot topics
❝政治は経済力によって政策の自由度が決まり、経済はその国が持っている科学技術の創造力を超えては発展しない❞
❝言論の自由がないようでは、日本の社会全体でも自由な発想が失われる。それは結局、人々から独創的な発想を奪い、ビジネスでのイノベーションも阻害する❞
❝マスコミ自身に言論の自由がないようでは、日本の社会全体でも自由な発想が失われていきます。それは結局、人々から独創的な発想を奪い、ビジネスでのイノベーションも阻害してしまうのです。❞