【国会レポート】安全保障の基盤は国の経済力、成長する力を強くするには【2022年1,2,3号】

NHKで中継された予算委員会で質問する機会があり、総理以下各大臣と議論を深めることができました。NHK中継中にTwitterでは、「質疑、とても良かった。休校中の子と、久しぶりに国会中継に見入ってしまった。」、「日本の将来に投資しようという話。久しぶりに聞いた。」など、同時並行的に多くの書き込みがありました。

日本経済を振り返って、今後を考える

この30年間の日本経済を牽引された上場企業の役員は、私の先輩の世代であり、また、私の世代でもあります。従って、その心象を理解しないと経済政策が機能しないと考えていますので、日銀総裁にリーマン・ショック後の日本企業の研究開発費の落ち込みについて答弁を求めました。

日本銀行総裁答弁 「一般的に、技術進歩、成長投資の必要性というのは広く言われているわけですけれども、特に我が国におきましては、リーマン・ショックの後に、一時的ではありましたけれども技術進歩が停滞し、経済全体での生産性の伸びが低下するという例が見られました。 こういうことを考えますと、やはり中長期的に成長を実現するためには、技術進歩のための成長投資、特に研究開発投資が必要だと。他方で、大学などの研究機関の研究開発投資がまだ諸外国に比べると遅れているということは事実でありまして、こういった点も踏まえて、適宜政府において対応されることを期待しております。」

答弁をうけて、そうなるに至った経緯を私のサラリーマンとしての経験を踏まえ説明させて頂きました。ビジネスでは市場をどう捉えるかのマーケティング、政治では現状認識が、ビジネスプラン作成や政策を立案する上での最重要の前提条件になります。日本経済を担う上場企業役員の心象風景を解き明かしながら、今後、日本経済の成長力をどのようにつけていくかについて、議論を進めて行きました。

大島委員発言 「経済は人だと思います。どういう人材が経営に当たっているか、ここをイメージできないと、なかなか経済を変えていくことは難しいと考えています。2000年代、2010年代を通じて、日本の会社の経営、特に上場企業の経営に当たっていらっしゃった方は恐らく私たちの先輩であり、あるいは同期だと思います。1995年、バブルがはじけて、私は鉄鋼会社の係長でした。そのときに決めたことがあります。その一つは、各社共に、新規事業を多く手がけて、ほとんどが失敗をして、毎日銀行からお金を返してほしいと要求をされていました。二度と銀行からお金を借りることはやめようと。また、先輩は、リストラ、人の安定した職場を奪うという一番厳しい仕事をされておりました。ですから、二度と人を雇うのはやめておこうと。そして、新規事業を多くの会社が手がけて失敗したものですから、新しい仕事については慎重に考えようというのが、係長の私、そして恐らくは、私は経営者ではありませんでしたけれども、多くの先輩の課長、部長が同じ考え方を持っていたと思います。

2000年代になって、ずっと円安が続きました。労働法制は緩和されました。ですから、正規社員から非正規に換えて、人件費を変動費として計上する時代に変わっていった。 もう一つは、円安ですから、輸出規模が50兆から80兆まで増えて、会社は多くの利潤を得たものですから、新規事業にチャレンジすることにも慎重ですし、そして、できるだけ多くの内部留保を持つことが多分正しい経営だということでずっと来て、リーマン・ショックを迎えました。

ですから、2008年、リーマン・ショックのときに、この内部留保によって、経営陣は替わることなくリーマン・ショックを乗り越えることができました。ですから、慎重な経営が正しい経営だということが身についたのがその後なのです。ですから、その後もずっと内部留保が積み重ねられて今に至っているのが日本経済だと思います。

ですから、今回の新型感染症が収束した後の日本経済は、やはり経営人材はこの慎重な経営に慣れていますから、更に慎重になるのではないか、それをどうやって解きほぐして我が国に集う国民の能力を引き出していくのかが私たち政治の役目だと思っています。」

中継を見ていた私が働いていた会社の先輩からも、「日本社会・企業の構造的問題に切り込んでいる。21世紀の日本経済停滞の根源は、上場企業では、私も含めて、何もしない人が生き残る構造にある、と思います。政治の後押しが必要です。頑張ってください。期待しています。」とメールを頂きました。

産業インフラを整備することが国の役割

大島委員発言「国が整備することはインフラだと思っています。今私たちの産業の中で、例えば自動運転とか、あるいはドローンとか、あるいは民生だとゴルフ場でグリーンまでの距離だとか、様々なサービスは、我が国の「みちびき」という測位衛星によっています。この測位衛星、私も携わらせていただいて、4基だと、アメリカのGPS衛星の助けをかりなければならないので、今、7基になっています。7基ですと、日本の独自の衛星だけで、握り拳の、ここの空間、センチメーター単位の空間が測位できるので、自動運転、あるいは、先ほど紹介したドローンなり、様々な民生利用ができます。

この7基体制、これには、当時前原政調会長、そして野田総理にお願いをして閣議決定を、4基から7基に変えたという経緯があります。その後も皆さんのお力をいただいて、今ここに至っています。このことは日本の安全保障にとってものすごく資すると思います。

我が国の航空機とか艦船が我が国の衛星によって、どこの位置にいるのか測位できるということは、これは日本の独立国家の条件だと思っていまして、そこの測位を上げてほしいのです。他国は今ここの競争に入っています。民生利用です。中国も、北斗という測位衛星を2020年に打ち上げが完了して、全地球を今自分で測位できるようになっています。ファーウェイの携帯電話、中国ではこの電波を使っているという報道もありました。

ですから、これをセンチメーターからミリメーターにすることが、私としては、日本のサービス、日本のインフラとして必要だと思います。政治というのは、無理を言い続けるのが政治だと思っています。また、昨年、後継機が一基打ち上がって、これから15年間で、更新の投資だけでも2800億円です。最低限の宇宙産業の基盤が、できています。」

科学技術・宇宙政策担当大臣答弁「今委員からお話にあったとおり、まさに委員が宇宙政策担当の、政府の方で、内閣府でお務めいただいていたときに、まさにこの準天頂衛星システムの「みちびき」の初号機が打ち上げられたものと認識しています。

議員御指摘のとおり、アメリカではGPS、ヨーロッパではガリレオ、そして中国の北斗、こうした他国のシステムが測位精度の向上に取り組んでいることは承知しておりまして、我が国の準天頂衛星システムにつきましても、7基体制確立後も、後継機による更新を行っていくに当たりまして、測位精度の向上は極めて重要だと思っております。

また、今、自立性の話を委員されましたが、同時に経済安全保障上も、これは我が国の自立性を高めていくためには重要でありますし、これを他国に輸出していくことができれば、国際社会にとっての我が国の不可欠性を高めていくことにもなる。その意味では、力を入れていかなきゃいけない課題だと思っていまして、今指摘をいただきましたミリメーター級の精度、これを目指すためには、ただ、現状におきましては、次世代の超高精度な時計、この開発を始めとする測位誤差を最小化していくための大きな課題があると考えておりますので、こうした、現時点において実現可能性の上では課題があることは認識しておりますが、ただ、海外の技術動向や国内外のニーズを踏まえまして、世界をリードできる衛星測位システムの実現を目指して、関係省庁、また関係機関、民間企業と連携して、戦略的かつ継続的に検討してまいりたいと考えます。」

Twitterでは、「科学技術イノベーションに関する質問。光電融合技術確立への提言 #NTT。日本版GPSみちびき携わる。cm単位からmm単位へのパワーアップしようぜ!」

大島委員発言「測位衛星あるいは準天頂衛星については、政治が決断してから10年かかりました。そして、テレビドラマ「下町ロケット」では、準天頂衛星を利用しての無人農業用トラクター開発がストーリーになりました。私の地元では、100町歩以上米麦に取り組んでいらっしゃる農家の方がこの無人農業用トラクターの導入を考えています。そういった民生利用ができるのです。」

成長する力は研究開発力である

大島委員発言「問題は、成長するための力が我が国にあるかどうかというところが一番大きなポイントだと思います。私は、この15年間の間、受け入れてくれる民間企業の主要研究所は視察をさせていただいています。そして、国の研究所はほとんど全て複数回視察をして、日本の最先端がどこにあるのか、新しいサービス、新しいビジネスの商品がどこにあるのかということを常にウォッチしてきました。」

私は、「政治は経済力によって政策の自由度が決まり、経済はその国が持っている科学技術の創造力を超えては発展しない」と考えています。パネルを使って、この25年間の各国の大学の科学技術研究費と30年間の各国の所得の推移の関連性を指摘したところ、Twitterでは、「大島敦議員、大学部門の研究開発費の推移、この25年間、EUは2.3倍、アメリカは2.1倍。日本は1.1倍しか伸びなかった。ワクチン開発、治療薬開発、科学技術が滞ったから余計な支出、国益が流出している。所得が伸びず税収入が上がらないから科学技術予算を増やせないという財務当局の考えを直して欲しい。」と私の発言を要約して頂きました。

次に、我が国の成長する力をつけるためには、明確な国の産業基盤の具体的な再構築案が必要と提案し、Twitterでは、「大島敦さん、「どうして私の人生が1960年代の技術で終わらなければならないのか?ということをあちこちの研究者に聴いてきた」おお、センス・オブ・ワンダー(感動)だ。」

現在、私は、これから大事な技術の一つに光電融合技術があると考えています。

大島委員発言「私は、1995年からずっとインターネットを使っていまして、どうして私の一生がこの1960年代の技術で終わらなければならないのかとずっと研究者に聞いてきました。1960年代、米国の国防総省が開発したこの技術で、その次がないのかと。

NTTの方に聞いたところ、大島さん、こういう技術があるよということで去年の春先に聞いたのが光電融合なのです。これは日本の産業基盤を変える技術だと思っています。産業基盤を変えます。これは全然違います。要は、遠隔での手術ができたり、あるいは工場の例えば圧延ラインのオペレーションの作業を自宅でできたり、もう日本の産業そのものが変わるというのがこの技術でして、是非、この光電融合技術、これはシームレスに、時間の遅れることなく、そして情報を圧縮することなく送れて、これで日本の産業基盤を、2020年代後半から2030年代にできたとしたら、私たちの国の在り方そのものが変わると思います。」

インターネットもパソコン(使い易い画面)も、1960年代に生まれた米国国防総省の技術です。そして、世界で一番早くソビエト連邦(現ロシア)が人工衛星を打ち上げたことで、米国がショックを受けて当時のケネディ大統領が1970年代末までには月面に人類を送ると宣言し、そのために半導体が誕生し、その後、どんどん小さく安くなったので、例えばスマホなど、私たちの手に乗るようになったのです。従って、この1960年代の技術の延長上で私の人生が終わってしまうのが面白くなく、出会う研究者に聞き続けていたところ、昨年、春にNTT社の研究部門の責任者の方から、「光電融合技術」に基づくIOWN(Innovative Opticaland Wireless Network)構想の説明を受けました。これは日本の産業基盤を変える技術だと思います。日本の通信インフラを「光電融合技術」に置き換えて行けば、我が国の社会そのものが次の時代をリードできる技術と直感したのでした。

現時点でのインターネットでのやりとりは、送れる情報量に制限があり省略して送っています。例えば、音楽など人には聞こえない音域は省いて送信しています。「光電融合技術」ですと、そのままの情報量で送れます。つまり、これまでと比較にならない情報量になります。現在のSkypeやTeams、Zoomなどweb会議では、時間の遅れ(タイムラグ)がありますので、喧嘩しても口論にはなりませんが、「光電融合技術」では、タイムラグ(遅れ)が生じません。この環境を日本の通信インフラとして、各家庭まで敷設したときに我が国の産業競争力が他国に対して圧倒的に優位に立つことになります。

つまり、手術支援ロボット「ダビンチ」での手術を患者は東京、医師は沖縄でも可能となりますし、圧延ラインの操作もほぼ実際と違わぬ画面を見ながら自宅で操作できるようになります。サッカー観戦は、パブリックビューイングで大画面を見ての観戦だったものが、飲食店のテーブルを見るとその中にサッカー場があり、選手がその中で3次元のホログラムで映し出され、リアルタイムで動いています。コンサート勧奨も、自宅で画像も音楽も解除嘘のもので鑑賞することができます。

内閣総理大臣答弁「御指摘の光電融合技術ですが、低消費電力かつ超高速大容量など、次世代の通信インフラを支える技術であり、2030年代の導入が期待され、その技術の実用化が期待されているものと承知をしております。政府としましても、引き続き、光電融合技術を含め、最先端の研究開発をしっかり後押しをしていきたいと考えます。」

Twitterでは、「光電融合についての質疑は、科学技術のちんぷんかんぷんな分野だけど、聞いていて面白い。また日本がリードする分野ができればうれしいけど、どうなんだろね。」

大島委員発言「光電融合技術のインフラを日本に敷設、全部、日本に滞りなく10年かけて整備するというのは、日本の産業構造そのものを変えます。新しいビジネスができる。全然違います。コンサート会場と同じ画像と音源を家庭で聞けるようになる。サッカー観戦が、二次元ではなくて、ホログラムで選手が動いて、それでサッカー観戦できるようになります。光電融合技術を、これはインターネットを超える技術です。これを、日本が主導することによって日本の産業競争力が増していくので、是非この点は、政府による推進が必要です。」

Twitterでは、「大島敦議員は、将来、1960年代の古い技術インターネットに取って代わる可能性があり、日本の産業競争力を挽回する切り札になり得る「光電融合技術」を取り上げ、研究開発の重要性を訴えた。」と、深いご理解も頂戴しました。

先日、産業総合技術研究所を訪問し、「光電融合技術」について伺った際に、アメリカでの光技術研究は、中国人を中心にアジアからの研究者が多いと伺いました。今、NTT社が優位に進めている研究も、国がしっかりと我が国の産業基盤にするとの方向性を示し、2030年代に実現する社会を示し、投資誘導しないと抜かれてしまう恐れがあります。私は、私が思い描く2030年代の社会実装に向けて取り組んでいきます。

大島委員発言「これは私の言葉なのですが、「政治は経済力によって政策の自由度が決まります。経済はその国が持っている科学技術の創造力を超えては発展しない」と思っていまして、やはり、この科学技術の創造力、ここが失せているわけです。

文部科学省の資料によると、主要国における大学部門の研究開発費の推移で、この25年間、EUは大学での研究開発費が2・3倍になって、アメリカでは2・1倍です。大きく増えたのが諸外国。日本は、1・1倍しか伸びなかった。他方、アメリカでは所得が1・4倍増えて、ドイツでは30年間で1・34倍増えています。日本は1・05倍です。日本の科学技術の研究開発費は25年間で、1・1倍しか伸びなかった。そうすると、所得も1・05倍しか伸びなかった。ここの予算をしっかりつけるべきです。

ワクチン開発についても、治療薬開発についても、台湾のTSMC社への6000億円の日本政府の支出についても、これは科学技術が滞ったから余計な支出が、日本の国益が外に流出していると思います。

財務省の方に伺いますと、逆なのです。所得が伸びなくて税収入が上がらないから科学技術関係予算を増やせないというのが財務当局の考えだと伺っているので、そこを是非直してほしいと思います。」

Twitterでは、「大島敦議員、科学技術の話から、研究予算の在りかたまでジェントルに問いかけ。財務大臣は「予算をかけてる」と答弁。額がきちんとあるならば、それで効果がないのは、財務省なり経済再生大臣なりの使い方が間違ってるんじゃない?」、「国会中継、大島敦議員、科学技術の発展こそが経済力であり、歳入の前に科学技術の発展が先であるとの議論。大変同意するし、とても有意義な質疑であった。」

経済財政担当大臣のコロナ関係財政支出についての答弁「機械的な試算になりますが、令和2年度で合計152兆円、今年度は約56兆円でございます。重複しているところがありますので、それを調整いたしますと、一定の前提の下ですが、財政支出の規模は合計で201兆円程度となります。」

大島委員発言「私は、科学技術予算、足りないと思っている立場です。閣僚の皆さん、国の研究機関で研究者の皆さんとお話しされた方がいいと思います。彼らは、外向きには、大変だとか予算が足りないということは私にはおっしゃいません。ただ、研究というのは、頂点の研究者も必要なんですけれども、それを支える研究者も必要です。5年で論文を書いてパーマネント、常勤の研究者になれる人、それを支える、7年から10年で論文を書いてパーマネント、常勤になれる人、そして、それを支える技師の集団があって初めて日本の科学技術というのは振興するんです。皆さんがいつも気にしているのは、頂点の研究者、科学者のことはよく考えているのですが、それを支えるところまで滞りなく資金を注いでいかないと、科学技術の振興は難しいと思います。多分、これからやっても、2030年代にようやくだと思います。

財務大臣に是非お願いしたいのは、コロナ関係費で200兆円使っていただき、様々な中小・小規模企業も助かっているのですが、その上で、今後、例えば、10年間で同規模の金額をかけ続けることだって必要だと思っています。

そうすると、国債に対する信頼が失われるのではないかとよく皆さんおっしゃいます。けれども、それはやはり、国債発行をするに当たっての説明で信頼の維持は可能だと考えます。日本国としては、これだけの規模の経済があるので、これまでは消費税をしっかりともっと上げられるから大丈夫ですよと言ってきましたが、これだけ産業政策をするので、日本の成長余力があるから、海外の投資家の方々も安心して日本国債に投資できますということが説明できるかと思います。」

ものづくり産業こそが、日本の成長力を支える

大島委員発言「先ほど、測位衛星あるいは準天頂衛星でミリメーター単位までを可能とすることで、一つの産業基盤を作ることができたと申し上げました。次に申し上げたいのは、航空宇宙産業のうちの航空機産業です。航空機産業で人を雇えるわけです。会社が研究者を将来的に雇うことができます。

今、日本の手がけた航空機産業、民間ジェット機の航空機産業が、残念ながら、ひょっとしたらここで終わってしまうかもしれないという危惧を持っています。国土交通省は、型式証明、これは物すごく大切です。日本で型式証明を取れば、米国でも航空機を売れる。そのために国交省は要員を確保し、そして民間企業も、多分、巨額の資金を投入してきました。ここで頓挫して本当にいいのかということなのです。もう二度と日本の中で航空機産業ができないと思います。

その点について、民間のジェット機の開発について、今世界は、半導体もそうですけれども、国の資金を入れても、WTO違反等、余りとやかく言われない時代になったと思います。要は、自動車が電動化するということは、部品メーカーがなくなるということなのです。航空宇宙産業があるということは、部品メーカーがずっと残り続けるということです。」

内閣総理大臣答弁「御指摘の航空機産業は、足下では新型コロナの影響により大きな影響を受けていますが、高い技術力と広い裾野を有し、中長期的には持続的な成長が見込まれる重要な産業だと認識をしております。そして、委員御指摘の民間の国産旅客機、三菱スーパージェットについては、民間において機体開発、政府において要素技術開発や安全審査体制の整備などの環境整備という役割分担の下、実現に向けて取り組んできたプロジェクトであります。現在、厳しい経営環境の中で開発活動は一旦立ち止まっている状況にありますが、完成機事業は我が国の航空機産業の発展に向けて重要な取組との認識の下、引き続き、開発再開に向けた事業環境の整備、これを支援していきたいと考えています。」

独創的な発想を喚起するには

最後に

大島委員発言「私たちは民主主義国家です。4年前、中国に入国しようとしたときに、日本国国会議員、私の指紋は全部取られました。顔認証もされました。中央集権的な発展を目指す国家です。これに対して、私は、「言論の自由があって、社会全体での自由な発想が生まれ、人々の独創的な発想が喚起されて、ビジネスのイノベーションが起きる」と、考えています。だからこそ、公文書管理が必要なのです。だからこそ、改ざんは許されないのです。だからこそ、個人情報保護が必要なのです。だからこそ、量子暗号や光電融合技術を活用しての通信の秘匿が必要なのです。そのことを最後に申し上げて、私の質問を終わります。ありがとうございました。」

私がお世話になった退官した官僚の方から、「たまたまテレビをつけたら国会中継をしており、準天頂衛星に関するご質問を拝見しました。本当にこれまで10年かかりましたね。宇宙政策、なかんずく準天頂衛星に是非ご支援とご指導をお願いいたします。」

また、別の方からは、「大島先生と岸田総理のやりとりは、大反響を呼んでいて、感激しています。お陰さまで研究者の士気も上がります。有り難うございました。」とメールが寄せられました。