【国会レポート】「能登半島地震で見えた日本の地震リスク【2025年4号】

2024年1月1日16時10分ごろ、マクドナルドの駐車場に車を止め、コーヒーを飲んでいる最中に、突然、緊急地震速報のアラームが鳴り、揺れを感じました。あれから2年が経ちましたが、現在(2025年12月1日)、約1万8千人の方が仮設住宅での生活を余儀なくされています。

首都直下地震や南海トラフ地震、さらには富士山噴火について、政府の被害想定や対策が公表され、報道や関連書籍でも繰り返し取り上げられています。一方、能登半島地震では、地盤隆起や津波など、想定されていない被害が生じました。いつどこで大地震が発生するか分からない。それが我が国土の現実です。

選挙区内で建設業に従事されている工務店や協力業者の皆さまとお話しすると、深刻な人手不足に直面しているとの声を伺います。これまでは、仮設住宅建設のために、私の選挙区からも大工さんが被災地に応援に向かっていましたが、今後は人手不足のため、同じような支援が難しくなると懸念されています。

人手不足でも仮設住宅は建設できるか

そこで私は、コンテナハウスであれば人手不足の中でも対応できないかと考え、ウェブで情報を集めるとともに、内閣府防災部局に問い合わせました。その結果、2024年能登半島地震でもコンテナ型の仮設住宅が活用されていると分かりました。

能登半島で仮設住宅として使用するため、それまでホテルとして使われていたコンテナハウスを急遽取り外し、現地に送り込んだ企業があり、そのホテルに併設された展示施設が茨城県にあると聞き、早速茨城県の現地を訪問しました。コンテナハウスといっても、海上輸送用コンテナそのものを住居に転用したものではなく、大きさは海上輸送用コンテナと同じ規格で、コンテナと同様にトラックや貨車で持ち運びができる住宅です。

現地では、ホテルとして使用していたコンテナハウスはすべて能登半島に移設されており、基礎だけが残っていました。事務所として使われているコンテナハウスに入ると、内装には無垢材がふんだんに用いられ、とてもお洒落な空間になっていました。窓は三重ガラス構造で、断熱性・気密性も高く、快適な室内環境が確保されています。

その後、本社が北海道の新千歳空港近くにあると伺い、そちらも訪問して工場見学をさせていただきました。北海道仕様のつくりになっているため、真冬でも真夏でも快適に過ごせます。コンテナハウスの屋根に太陽光発電を設置すれば、年間を通じて必要な電力を賄うことが可能であり、積雪荷重にも耐えられる構造で、耐用年数はおおむね100年程度であるとの説明を受けました。使用されている木材は北欧からの輸入材で、木目が詰まっており丈夫だそうです。

ユニットは、貨車やトラックで運搬できる海上コンテナと同じ規格の大きさで、横方向・縦方向に連結できるため、個人住宅から公共施設まで幅広い納入実績があります。1軒を、大型コンテナ(40フィート/長さ12.19m×幅2.44m×高さ2.59m)2基とハーフサイズ1基で構成すれば、4人家族でも十分に生活することができます。能登半島で実際に使用されている方からは、「土台を整備すれば一般住宅としても使えるので、売ってもらえないか」との問い合わせもあるそうです。

さらに、2026年に愛知県で開催される第20回アジア競技大会・アジアパラ競技大会では、名古屋港ガーデンふ頭に約2,000人分のコンテナハウス型宿泊施設が設置され、選手団の宿泊拠点として活用される計画です。現在、工場で生産していて、ユニットは近くに仮置きされています。室内は中央にトイレや洗面台などの共用部分があり、その両側に個室2室が配置される構造になっています。大会終了後は、ホテルや仮設住宅など、全国各地での多様な用途への再利用が想定されています。

設住宅の備蓄と新しい住まい方の提案

南海トラフ地震、首都直下地震、富士山噴火といった「国難級」の災害に備えるためにも、自衛隊員の宿舎や被災者向け仮設住宅として、こうしたコンテナハウス型住宅を平時から一定数備蓄しておく政策を提案したいと考えています。同時に、災害発生時に迅速に設置できるよう、あらかじめ基礎部分だけを各地に整備しておくことも重要です。

また、100年の耐久性があれば、家族構成の変化に応じてユニットを連結・切り離しながら、柔軟でスマートな暮らし方を選択できます。また、工場生産によるため、現場施工に比べて人件費や建設費の高騰の影響を抑えつつ、一定規模での供給が可能です。構造体は長期使用を前提とした耐久性を有し、ユニットとして移設・再利用ができることから、中古流通を含む新たな住宅マーケットの創出にもつながると考えます。災害に備えた住まいの確保という観点から、こうした特性を踏まえた住宅政策を提言していきます。