【国会レポート】サラリーマン増税をストップし、税金の無駄遣いをなくす【2005年8号】

今回、郵政民営化法案が参議院で否決されて衆議院解散総選挙に至ったわけですが、街頭で演説をしたりビラを配ったりしていると、部の方々から「民主党はどうして郵政民営化に反対したのですか」としばしば訊かれます。しかし、小泉氏が出した郵政民営化法案の中身については詳しく存じ上げない方も少なくはないと思います。

国民に知られていない郵政民営化の中身

国会の「郵政民営化に関する特別委員会」では、与野党共に非常に良い議論を積み重ねてきました。その議事録を読んでいただければ、小泉氏の郵政民営化法案がいかなるものかよくご理解いただけると思います。議事録については、http://www.shugiin.go.jp/itdb_kaigiroku.nsf/html/kaigiroku/nf_0146_1.htmに掲載されていますので、ぜひお読みになってください(なお、特別委員会の模様は衆議院のサイトにおいてビデオ映像でもご覧になれます)。

本来、特別委員会のやり取りはもっと詳しく報道されるべきだったのですが、マスコミは「郵政民営化、是か非か」といったセンセーショナルで表面的な報道に終始し、中身が国民にきちんと伝わってこなかったのを残念に思っています。

そもそも郵政民営化の目的は、資金の流れを「官」から「民」に替えることです。日本独特の制度である郵貯や簡保は財政投融資の役割の終わった20年前(私はプラザ合意が時代の転機と考えています)でしたら民営化も正しかったと思います。しかし、4大銀行や4大生保に匹敵するまでに肥大化した郵貯簡保を民営化するよりも、一歩進めて郵貯簡保を縮小し、廃止していくことで民間に資金を還流させることがあるべき姿です。したがって、小泉氏の民営化は本質に迫っていません。私は本質的な改革を進めて行きたいのです。政権交替でしか本当の改革はできません。

政権を担えば10兆円の歳出削減を断行する

二期目の国会活動は年金、介護、雇用など社会保障制度を中心に国会審議、政策立案に携わって参りました。緊急な課題としてはアスベスト被害救済のための法案を作成し国会に提出もしております。政治のポイントは何が日本の課題であるかその優先順位をつけることです。

さて、税金の使い方は国民の日常生活に非常に深く関わっていますから、その重要性は皆さんもよくお分かりではないでしょうか。

もともと国家財政が苦しいのは無駄遣いがきわめて多いからです。それなのに政府はすぐにサラリーマン増税の話を持ち出してきます。本末転倒です。私はサラリーマン時代に企業合理化に関わって2割から3割の経費削減ができたという経験があります。国の場合は合理化は手つかずですから、岡田代表が約80兆円の国家予算のうち10兆円を削減するというのはむしろ控えめな数字だと言えるでしょう。

「費用対効果」の発想がない国家予算

ともかく、私が衆議院議員になって最も驚いたのは行政には予算に対する実績の較差を分析し現実を把握しようという発想がないことでした。つまり、予算は立ててもそれが効果的に使われたかどうかを省内でフォローアップする仕組みがないのです。費用対効果の観点から国家財政をしっかり見直し、時代の一歩先、二歩先を読んで、過去からの無駄な投資を止め、これから無駄な投資をしないようにしなければなりません。

年金、介護、医療、雇用といった社会保障制度への国民の信頼を失わせてしまったのも保険料の無駄遣いです。それは、わが党が追究してようやくいろいろな無駄遣いが発覚した社会保険庁の問題に如実に表れています。年金関連の情報は透明にして保険料の無駄遣いをなくし社会保障制度への信頼性を取り戻すことで私たちの社会は安定します。

ところが、社会保険庁も今の政府与党の中でいつの間にか存続することになってしまいました。一度私たちの新鮮な視点で国家予算や保険料の無駄遣いを洗い出すことを任せて下さい。

不必要になった法律の廃止も不可欠だ

また、国会議員になって以来、私もいくつか法律を作ってきました。それは自分の誇りでもあるのですが、逆に法律というものは不必要になったら廃止しなければならないと思います。

なぜ税金の無駄遣いが多いかと言えば、一つには、時代の使命が終わって不必要になった法律でも依然として残っているために、その法律に基づいて予算が付いてしまうからです。10兆円の税金の無駄遣いがあるとしたら、その分を裏付ける法律が数多くあるのです。不必要な法律は廃止していくことで巨額の無駄な予算がなくなります。

いずれにしても真の改革というのはむしろ地味ですし、改革の過程ではさまざまな制度矛盾の解決が求められます。私は勇ましい言葉を叫ぶのではなく、やはり最優先の政策課題にしっかりと取り組んで着実に成果を出していきたいと思うのです。