【国会レポート】新たなスタートを切った民主党で「次の内閣」内閣府担当大臣に就任【2005年9号】

今回の総選挙では前回と比べて1万0,365人多い12万3,159人の方に信任をいただいて小選挙区で選出されました。責任の重さに身の引き締まる思いです。

残念ながら民主党は大きく議席を減らしてしまいましたが、その結果を受けて再スタートを期した代表選挙では43歳という若さの前原誠司さんが代表に選ばれました。これは、日本の政治に大きなインパクトを与えるという意味で歓迎すべきことだと思います。若い野党党首の出現は政権与党である自民党にも影響を与えており、今後、日本の政治も若返っていくことは確実でしょう。

とはいえ、古今東西、必ずしも若い人が政治の指導者になるのがいいというわけではありません。あのジョン・F・ケネディは前原代表と同じ43歳という若さでアメリカ大統領になりましたが、ロナルド・レーガンが大統領になったのはケネディよりも26歳も年長の69歳のときでした。日本でも吉田茂が首相になったのは67歳のときだったし、コンラート・アデナウアーに至っては73歳のときに西ドイツの首相になったのです。結局のところ、国の指導者というのは年齢で決まるのではなく、その時代の社会状況や政治状況によって自ずと決まっていくのだと思います。

一般的に言うと、政治家を長くやっていれば支援者との間でいろいろな貸し借りができ、関係が深まって引きずるものも多くなってくるという傾向があります。そして、今の時代はその傾向が特に顕著になっているため、若い指導者に期待が集まってくるのでしょう。若い指導者に対して、引きずっているものをなくして自由な観点で日本やアジア、あるいは世界の枠組みを捉えてほしい、という思いが今の日本の中でより高まっているのではないでしょうか。実際、今回43歳の代表が選ばれたことで民主党に対する国民の皆さんの好感度も増してきていているように感じます。

衆議院内閣委員会の民主党筆頭理事にも就任

この前原代表体制の下、私は民主党「次の内閣(NC)」の内閣府担当に任命されました。併せて衆議院内閣委員会でも民主党の筆頭理事に就任しました。つまり、内閣府に関連して前者は民主党の政策、後者は国会運営における民主党の責任者になったということです。一期生、二期生のときに比べると、格段に重い責任を負ったことになります。

ところで、私は初当選以来、衆議院の厚生労働委員会に身を置いてきました。同委員会ではこれから労働関係法制の見直しや今後の労働法規のあり方の議論が予定されています(そこで数少ないメーカー出身の国会議員である私が担っていた役割は与野党を見渡してもかなり大きかったと考えています)。また、来年には大きな医療制度改革の議論も控えています。

今回、内閣府担当および内閣委員会の民主党筆頭理事になったことで厚生労働委員会から一時的に離れなければならなくなりましたが、党内での厚生労働関連の議論には従来通り中心的な立場で積極的に参加していきたいと思います。

さらに強調しておきたい点として、私は「年金の議論は終わらせない」と選挙期間中に訴えてきましたので、労働法制や医療制度改革と共にこれからも年金改革の先頭に立って民主党の議論をリードしていくつもりです。

内閣府は日本のキーとなる官庁だ

それはそれとして、現在の内閣府の持っている権能の大きさから内閣府担当および筆頭理事になったことで私の政治家としての活動の場が一挙に広がってきたのも確かです。

内閣府には、その下に宮内庁、公正取引委員会、国家公安委員会(警察庁)、防衛庁、金融庁という官庁が置かれ、経済財政諮問会議、規制改革・民間開放推進会議、中央防災会議、男女共同参画会議、産業再生機構、道路関係四公団民営化推進委員会といった組織が設けられています。

政策的には、以上の官庁・組織に関連するもののほか、科学技術政策、沖縄政策、北方領土問題、防災・災害対策、少子・高齢化問題、個人情報保護問題など非常に幅広いフィールドをカバーしています。こうなったのは、橋本政権時代の行革で日本の首相にアメリカ大統領のような権限を与えてトップダウンで政治主導を行うことができるように、以前の総理府、経済企画庁、沖縄開発庁を合わせて内閣府とし、いろいろな権限を集めた結果なのです。

しかも、内閣府には、複数の省庁が関係する問題に対して各省庁よりも一段高い立場から政策の総合調整を行うという役割も持たされました。今の小泉首相がトップダウンで権限を行使できるのもこの内閣府の存在を抜きにしては語れません。つまり、日本の行政機構のなかでもキーとなる官庁なのです。

議題設定を行うことが最も重要な仕事

こうした内閣府を前提に私がやらなくてはならない最も重要な仕事は内閣府担当、筆頭理事ともに議題設定だと言えます。内閣府担当としては党内で議題設定をし、筆頭理事としては内閣委員会で議題設定をするということです。では議題設定とは何か。要するに、いろいろな問題について優先順位を付けていき、最優先の問題を示して、それに取り組んでいくということです。

筆頭理事の職務についてはもう少し詳しく説明すると、政党間での折衝が中心的な役割となります。内閣委員会では私が民主党を代表して与党と折衝を行うことです。議会制民主主義の合意形成のプロセスは外部から見ているとまどろっこしいかもしれません。審議日程、何を最優先にして委員会で議論していくか(議題設定)、議員や内閣より提出された法案の扱いなど、一つひとつ与野党間の交渉事で決めていかなければなりません。

党内および内閣委員会において公平公正な議論を行うことによって建設的な議論を積み上げていきたいと考えています。