【国会レポート】現場を知るために地元企業にアンケートを実施【2013年5号】

私は、現実的な政策を立案し、また、政府にも働きかけることができるように、まずその政策の基となる現場を知る努力が議員に最も求められると考えています。

2009年に与党になる前の9年間、私は、国会の様々な委員会で多くの質問をしてきました。質問するために、特に重要だったのが取材です。役所の官僚に話を聞くというのはもちろん、質問に関係のある現場にも何度も足を運びました。それが質問に直接役に立っただけでなく、9年間続けたことで私の政治家としての大きな蓄積となり、与党で副大臣あるいは政策責任者の職務を全うするのに大きな力となりました(たとえば独立行政法人役員の公募システムの実現、求職者支援法の制定、公務員制度改革の推進など)。

地元企業経営者にアンケートを実施

しかし、私は与党時代、取材の時間がなかなか取れませんでした。ですから、今はできるだけその時間を取るようにしています。それで今回試みたのが地元の中小・小規模企業(私と名刺交換させて頂いた)経営者への消費税に関するアンケート調査で、実際のところ、消費税について経営者はどう考えているのか、増税によって日本経済はどうなるのかなどを知りたかったのです。

このアンケートはファックス送信したところ、1週間も経たないうちに何と90社から同じくファックスで回答が寄せられました。90社は一見少ないようですが、むしろ大きな数と言えます。というのも、国の役所の企業調査、たとえば「中小企業白書」の場合、企業の回答数が最も多い調査でも6000社程度だからです。つまり、衆議院の小選挙区は全国に300あるのですから1選挙区あたり20社。とすれば、地元の90社の回答はその4.5倍にもなるわけですし、やはり消費税への関心が大変に高いということでもあります。

今回のアンケートは、私が所属する経済産業委員会で「消費税価格転嫁対策特別措置法案」(消費税を円滑に価格に転嫁できるようにするための法案)を審議するというタイミングに合わせてのことでもありました。アンケートの中身ではまず「景気が好転したと実感できるかどうか」、「今後の景気は、良くなる・変化なし・悪化する、の中でどれと思うか」を尋ねました。

また、次の意見のうち賛同できるものに〇を付けていただきました(複数回答可)。

①消費税増税分が転嫁できない。

②取引先から納入額の引き下げ圧力がある。

③外税表示も認めてほしい。

④買い叩き・転嫁拒否・不当な利益提供の要請などを国に取り締まってほしい。

⑤消費税還元セールなど禁止してほしい。

最後には自由記入欄も設けました。

現場の生々しい声を政策に活かしていく

アンケートの回答を集計・分析すると、回答した企業はサービス、運輸、小売、卸売、製造、不動産、建設、農林水産と業種をほぼ満遍なくカバーしていました。景気好転の実感については、11%が「実感できる」のに対し、86%が「実感できない」とのことでした。今後の景況感については、「良くなる」が26%、「変化なし」が39%、「悪化する」が31%でした。マスコミでは景気が良くなっているとの報道ですが、回答では景気の好転を「実感できる」のが1割程度、景気の先行きでも「良くなる」というのはほぼ3割でした。この現実をしっかり認識しなければならないと私も肝に銘じた次第です。

また、意見への賛同については、①58%、②31%、③43%、④40%、⑤20でした(複数回答可)。とりわけ、消費税増税分が転嫁できないという危機感が強くなっています。

自由記入欄にもほとんどの経営者に書き込んでいただいています。それも1~2行ではなくびっしりと書き込まれたものが多く、しかもそれでも足りずに別紙に記入して添付して下さった経営者が何人もいらっしゃいます。これは私にとって大きな驚きでした。

また、この自由記入欄は生の声だけあって、経営者の切迫感がひしひしと伝わってきます。一部を紹介すると次の通りです。「立場が強い取引先から納入額の引き下げ圧力がある」、「消費税増税分の値引き要請について、最近、取引先も商談中に話題として取り上げ始めている」、「販売者はコスト競争に走るため、最終的に消費税を削っても販売拡大を狙う傾向になる」、「法律で消費税還元セールなどの表現を禁止しても何の解決にもならない」。

今回のアンケートの意見をもとに5月10日に経済産業委員会で質問に立ち、取引上弱い立場の企業に不当な要請がなされないよう、また、消費税増税分を価格に転嫁するにあたり国民の理解を頂くための広報についてなど、具体的な議論ができました。また、ご意見は今後も私の国会活動に活かしていきます。これからもさまざまな政策テーマごとに現場を取材し、現状に合った政策を立案していきたいと考えています。

なお、このアンケートの結果を集計したものを用意してあります。事務所までご一報いただければ、FAXや郵便でお届けさせて頂きますのでお気軽にご連絡下されば幸いです。

電話:048-789-2130

FAX:048-789-2117