【国会レポート】大島あつしQ&A特集【2001年9号】

昨年6月25日投票の総選挙で大島が衆議院議員に当選して1年3か月近くが経ちました。その間、数多くの有権者の方々と接し、さまざまなご質問が寄せられましたので、今回はそのうち代表的なものをQ&A形式でご紹介致します。

Q:サラリーマンから衆議院議員になって最も変わったのはどんな点ですか?

A:自分の自由になる時間がなくなったなと思います。国会議員は365日24時間仕事漬けと言ってもいい位日程に追われています。サラリーマン時代は、土日は休みでしたし、ゴールデンウィークや夏休み、年末年始には何日間かまとまった休みを取ることができたのですが、衆議院議員になった今、何も用事のない1日をつくるというのはほとんど不可能という状況です。国会がない日でも、訪問や、何らかの会合が組まれたりしています。せめて1泊2日の温泉旅行をしてリフレッシュしたいと思うときもありますが、それもなかなか叶いません。

今では、自分の机の上に置いてある『ヨーロッパ・アルプス写真集』を開いて、しばし眺めているだけで、心身共にリフレッシュしてしまうから不思議です。

Q:政治家は儲かるんじゃないですか?

A:残念ながら儲かりません。自分のために自由に使えるお金はサラリーマン時代のほうが多かったと思います。米国のある有名な政治家が「お金儲けをするのだったら国会議員にならずに事業を始めて経営者になったほうがいい。なぜなら、経営者のほうがよほど豊かな生活ができるだけでなく、言われる悪口もはるかに少ない」と述べています。まさしくそうだと思います。

政治資金については、私は衆議院議員になって以来、積極的にお金を集めるという活動はしてきませんでした。なぜなら、国民1人当たり250円の政党助成金が各政党に国から配分されていますし、議員個人も本来、お金をかけないで政治活動ができるべきだと考えているからです。ただし、一年間活動してみて、衆議院議員として十分な政治活動をするためには、それなりに費用がかかるということも実感しております。

Q:国会議員は毎日高級なものを食べているように思いますが?

A:そんなことはありません。サラリーマン時代と同じです。たとえば昼食は、国会が開かれているときには議員会館の食堂で食べます。ここは、会社の社員食堂と同じで、けっして特別なものではありません。チャーハンや焼き魚定食、野菜炒め定食、カレーライスをよく食べます。そのほか、国会議事堂の通路にある軽食堂や国会議事堂内の食堂を利用しているのですが、値段は、カレーライスを例にとると、議員会館の食堂が550円、軽食堂が390円、国会議事堂内の食堂が630円です。議員会館の食堂と軽食堂の接客サービスは非常によくて快適です。でも、国会議事堂内の食堂は伝統があるせいなのか、ややお役所っぽい接客態度で、ちょっと残念に思っています。

Q:国会議員は事務所をいくつも持っているそうですが、どうなのでしょう。

A:大島の場合は地元の埼玉6区内の埼玉事務所(桶川市)と、国会議事堂の後ろに建っている衆議院議員会館の国会事務所を使っています。まず埼玉事務所は、有権者の方々との重要な窓口という位置付けです。そこでは、皆さんからの問い合わせに答えたり、あるいは、皆さんからのご意見をとりまとめたりしています。また埼玉事務所を拠点として、大島自身は埼玉6区内の各地を訪問して、やはりご意見を伺っています。いずれにしても、皆さんのご意見は非常に有益な情報源です。それがないと、国会で十分な質問はできないと思っています。

国会事務所は、地元の事務所で集めた皆さんからのご意見を国の政策に反映させるための、いわば前線基地です。だから、できるだけ機能的効率的に活用するためにいろいろと工夫しています。たとえば、有権者のご意見をもとに各省庁の担当者に直接疑問をぶつけるなど、事情を聞かなければならないので、それがやりやすいようにしました。国会事務所にはもともと備え付けの応接セットがあったのですが、事情聴取や打ち合わせ、意見交換には不向きなので、それを取り払って(衆議院議員会館の事務所に返して)、会議用のテーブルを置きました。打ち合わせや意見交換にはやはりこのほうが断然いいですね。ITの面では、高速回線のADSLを引いてインターネットを利用していますし、パソコンも2台揃えて、より効率的に仕事ができるような体制にしています。

Q:政治活動のなかで地元のあちこちを回るのは苦痛ではないですか?

A:まったく逆です。むしろ政治活動の大きな励みだし、原動力となっています。新しい発見も多いですよ。たとえば、埼玉6区のなかでは本当にさまざまなイベントが行われていて、鴻巣市のある人形店では、毎月、店の中庭でコンサートをやっているのですが、初めてそこに行ったとき、頭のなかにどんどん街づくりのアイデアが浮かんできました。

また、マスコミ報道だけに頼るのではなく、自分で現場に足を運ぶことがいかに大切かを痛感しています。一例を挙げると、最近、国庫から特定郵便局に渡している「渡切費」(わたしきりひ一特定郵便局の光熱費や営業費などの運営費用にあてる。1年分を前渡しされ責任者の裁量で使える。日々の経理処理を簡素にするのがそもそもの目的)を流用、裏金を不正蓄財しているというマスコミ報道がありました。ところが、私が実際に地元のある特定郵便局の局長から説明を受けたところ、少なくともその郵便局では1円たりとも間違えないようにきちんと領収書を付けて管理していました。現場を見ずにマスコミ報道だけに頼ると、すべての特定郵便局で不正がおこなわれているようなイメージを持ちかねません。もちろん不正をおこなった郵便局があるとすれば、その不正の仕組み(システム)を正すこと、つまり本質を見失わない仕事がしたいのです。

Q:最後に、衆議院議員として今、特に心がけていることは何ですか?

A:やはり衆議院議員もハードな仕事です。しかし、有権者の方々の応援を受けて衆議院議員になった以上、自分の持っている知識、能力をすべて投入して仕事のために燃焼しなければならないと思っています。燃焼するには燃料がなければなりません。

では、燃料とは何かと言えば、それは情報です。情報を得るためには、まず関心のあるテーマについて本を読むことが欠かせませんが、所詮、本の情報は加工されたものです。だから、政治家としてはやはり加工する前のナマの情報がほしいわけで、そこで、そのテーマについて直接話を聞くということが非常に重要になってきます。東京で専門家に会うことも必要ですが、それ以上に地元で皆さんにお会いして、ご意見をお聞かせいただくことが大切だと思います。埼玉6区のなかに日本の縮図があって、たとえば、経営者の方々とお話すると、日本全体の景気が実によく分かるんですね。

皆さんのご意見を聞くという意味からもタウンミーティングや国会見学を行っていますので、ご興味がある方には、ぜひ参加していただきたい。事務所にご連絡いただければ、タウンミーティング等の日程をお知らせします。

★話題の用語を解説★

『特殊法人』(とくしゅほうじん)

社会資本の整備や福利厚生の増進など特定の行政目的や公共目的を実現するために、特別の法律によって設立されたのが「特殊法人」です。公団、公庫、事業団などがあり、民間企業的な経営方針に基づいて業務を行っていますが、国の指導・監督を受けるという点が民間企業とは異なる大きな特徴です。

特殊法人の多くは、戦後の復興期から高度経済成長時代にかけて設立されました。しかし、社会情勢や時代の変化に伴って必要性が問われ始め、経営の非効率性も問題となって、一時は110を超えた特殊法人も統合や廃止、民営化などによって現在では77にまで減っています。尚、政府認可を受けて設立される「認可法人」も広い意味での特殊法人として語られている場合があります。

今年6月20日に「特殊法人等改革基本法」が国会で成立しました。中央省庁所管の77の特殊法人と86の認可法人について「集中的かつ抜本的な改革」を目的としていますが、時限立法なので、法律として有効なのは2005年度末までです。

首相を本部長、全閣僚をメンバーとする特殊法人等改革推進本部を設置し、1各法人組織の廃止、民営化、独立行政法人化、2各法人の事業の廃止、整理縮小・合理化、他の法人への移管などを盛り込んだ「整理合理化計画」を作成するよう定めています。

最近、小泉純一郎首相の改革の目玉として特殊法人の民営化が特にクローズアップされてきました。民営化については所管の省庁は必ずしも賛成しているわけではありません。今後の成り行きが大いに注目されています。